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腸は【第二の脳】なのか?腸内環境と心の不調の医学的メカニズム

腸は第二の脳なのかというテーマで、腸内環境と心の不調の医学的メカニズムを解説するブログのアイキャッチ画像

なぜ「腸」は心に影響するのか!

腸を整えることは、生き方を整えること

理由の分からない不調に悩んでいませんか

理由ははっきりしないけれど、気分が落ち込みやすい。集中しようとしても、頭がうまく働かない。疲れが抜けず、何をするにも億劫に感じる──。

福祉の現場で支援に関わっていると、こうした声を聞かない日はほとんどありません。そして多くの場合、それらは「気の持ちよう」「メンタルの問題」として片づけられてしまいます。

しかし、医学的な視点から見ると、心の状態と深く関係している臓器があります。それが「腸」です。

目次

腸が「第二の脳」と呼ばれる理由

腸は、消化や吸収を行うだけの器官ではありません。近年の医学では、腸の神経細胞(腸管神経系)が注目され、その働きから、比喩的に「第二の脳」と呼ばれることがあります。

腸管神経系には、数億個もの神経細胞があるとされており、その数は犬の大脳皮質の神経細胞数と同程度と報告されています。

セロトニンと腸の関係

セロトニンは一般に「幸せホルモン」と呼ばれることがありますが、実際には気分を直接“作る”というより、気分の安定やストレス応答の調整に関わっています。

このセロトニンは大部分が腸で産生されています。ただし、これらは腸の動きのために使われ、脳のセロトニンとは直接行き来するわけではありません。

しかしながら、腸の状態が神経や免疫を通じて脳の働きに影響するため、腸内環境の乱れが不安感や気分の変動と関連することが報告されています。

腸と免疫、そして疲労感の関係

また腸は、体内で最大規模の免疫機能を担う臓器でもあります。

免疫反応が慢性的に活性化した状態では、だるさや疲労感が生じやすくなることが知られており、これが「やる気が出ない」「集中できない」といった感覚につながると考えられています。

心の問題と決めつける前に

ここまで見てきたように、腸は単なる消化器官ではなく、神経や免疫を介して心身の状態に影響を与える存在です。

だからこそ、心の不調を「心だけの問題」として扱うことには限界があります。

私は医学博士として20年以上にわたり生活習慣と健康の関係を研究してきました。そして現在は福祉の現場で多くの方の生活に寄り添いながら支援を行っています。

その両方の立場から感じるのは、体の状態を整えることで、無理に前向きになろうとしなくても、自然と気持ちが安定してくるケースが少なくないということです。

では次に、「腸にいいこと」をしているのに調子が悪くなるのはなぜなのでしょうか。

「腸にいいこと」をしているのに、なぜ不調が続くのか?

腸活という言葉が広く知られるようになり、発酵食品を意識して摂ったり、食物繊維を増やしたり、サプリメントを試したりしている方も多いかもしれません。

しかし現場では、こんな声も聞きます。

「腸にいいことをしているはずなのに、体調が優れない」

「前よりお腹の調子が不安定になった気がする」

これは決して珍しいことではありません。

腸内細菌は人それぞれ違う

腸内には数百種類、数十兆個とも言われる腸内細菌が存在しています。ただ重要なのは、「良い菌をたくさん入れればいい」という単純な話ではないという点です。

腸内細菌の構成は人それぞれ異なり、体質や生活習慣によっても大きく左右されます。

「合わない腸活」が起きる理由

発酵食品が体に合いやすい人もいれば、特定の食品を摂ることでお腹が張ったり、不快感が強く出たりする人もいます。

これは腸内細菌の構成、腸管の運動機能、感受性、発酵の程度など、多くの要因が関係していると考えられています。

また、睡眠不足や強いストレスは自律神経系に影響し、腸管運動や知覚過敏の変化につながることが報告されています。

「足す腸活」より「減らす腸活」

ここで重要になるのが視点の転換です。

「腸にいいことを足す」前に、「腸の負担になっている可能性のあることを減らす」。

多くの研究やガイドラインでも、特定の食品や成分に頼るよりも、食事全体のバランスや生活リズムの安定が基本であるとされています。

無理なく続けられる食事。一定の睡眠。過度な緊張が続かない生活。

その土台があって初めて、腸活は意味を持ちます。

腸を整えることは、「生き方」を整えること

腸活というと「何を食べるか」に意識が向きがちですが、腸は生活習慣の影響を受けやすい臓器です。

睡眠の質、日中の活動量、ストレスのかかり方、人との距離感。そうした日々の積み重ねが、自律神経や免疫機能を介して腸の状態に影響を与えます。

頑張り続ける生活と腸の不調

福祉の現場で多くの方と関わる中で感じるのは、慢性的な緊張やストレスが続いている方ほど、腸の不調を抱えるケースが少なくないということです。

強いストレスや長期間の負荷は、自律神経のバランスを通じて腸管運動に影響を与えることが報告されています。

腸は、体からの正直なメッセージとも言えます。

腸を整えるとは、無理を手放すこと

腸を整えるということは、無理をしている習慣を見直すことに近いのかもしれません。

無理のある生活リズムを少し整え、睡眠を確保し、過度な緊張状態を緩める。

それは「もっと頑張る」ためではなく、無理なく生き続けるための土台づくりです。

自分を責める前に、体に目を向ける

10年後の自分の体は、今の生活の延長線上にあります。

もし今、理由の分からない不調を感じているのであれば、「自分の気持ちが弱いから」と責める前に、体、とくに腸の状態に目を向けてみてください。

腸活は、特別なことをすることではありません。

  • 生活を整えること。
  • 無理を減らすこと。

それが結果として、心の安定にもつながっていきます。この視点が、日々の過ごし方を見直すきっかけになれば幸いです。

生活訓練の詳しい内容はこちら

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この記事を書いた人

医学博士として20年、生活習慣病を研究。現在は福祉の支援員として、最新の「腸活」や「睡眠」の研究成果を、利用者様にご紹介している。心と体のつながりを大切に、難しい科学を分かりやすく伝えながら、利用者様の自立や社会復帰を支えるべく奮闘中。

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