「障害のことは、履歴書にどこまで書けばいい?」
「配慮事項を書いたら、採用で不利にならない?」
「就労移行支援に通っていた期間はどう書く?」
「療養していた空白期間をどう説明すればいい?」
障害者雇用の応募書類では、一般の就職活動とは少し違う悩みが出てきます。でも、履歴書の目的は、障害について詳しく説明することではありません。
企業に、
- これまで何をしてきたか?
- どんな仕事ができるか?
- どんな工夫をしているか?
- 安定して働くために何が必要か?
を分かりやすく伝えることです。この記事では、障害者雇用の履歴書で迷いやすいポイントを一つずつ整理します。
障害者雇用の履歴書で大切なのは「働く姿が想像できること」
企業が知りたいのは診断名だけではありません。例えば、「ASDです」とだけ書かれていても、
- 実際の仕事で何が得意なのか?
- どんな場面で困るのか?
- 自分でどんな工夫をしているのか?
- どのような配慮があれば働きやすいのか?
までは分かりません。そこで、
まで整理すると、企業側も実際の働き方をイメージしやすくなります。
まず押さえたい履歴書の基本
企業指定の様式があれば、それを使う
応募先から指定された履歴書やエントリーシートがある場合は、その様式を使用します。指定がない場合は、厚生労働省が公開している履歴書様式例も参考になります。
手書きとPC作成はどちらでもいい?
応募先から指定がなければ、手書き・PC作成のどちらか一方が一律に正解というルールはありません。PCで作成すると、
- 修正しやすい
- 複数企業への応募で管理しやすい
- 誤字脱字を確認しやすい
といった利点があります。応募先から指定がある場合は、その方法に従いましょう。
西暦・和暦は統一する
学歴や職歴の年月は、
と西暦で書くなら西暦で統一。
と和暦で書くなら和暦で統一します。途中で混在させない方が読みやすくなります。
学校名・会社名は正式名称で書く
略称ではなく、できるだけ正式名称を確認して記載します。
障害のことはどこまで書けばいい?
障害者雇用へ応募するときでも、
が目的ではありません。働く上で必要な範囲で、
- 障害や特性
- 困りやすい場面
- 自分で行っている対策
- 企業に相談したい配慮
を整理します。応募先から障害状況や配慮事項について記載方法の指定がある場合は、その指示に従ってください。
配慮事項は「できないこと一覧」にしない
配慮事項を書くとき、
だけを並べてしまうと、企業側は実際の働き方を想像しにくくなります。おすすめなのは、
の順番です。
ASDの例
ADHDの例
精神障害の例
ポイントは、
です。
合理的配慮は「特別扱い」ではない
障害者雇用促進法では、募集・採用を含む雇用の場面で、障害者から配慮の申出があった場合、事業主には障害特性に応じた必要な措置を講じることが求められています。ただし、必要な配慮は人によって違います。だからこそ、
と一律に考えるのではなく、
を整理することが大切です。
就労移行支援は職歴に書く?
ここはよくある質問です。就労移行支援の利用は、企業との雇用契約による勤務歴ではありません。そのため、会社で働いた経歴とまったく同じ形で職歴欄に書く必要はありません。一方で、利用していた期間を隠す必要もありません。
例えば、
のように、就職に向けた活動歴・訓練歴として補足する方法があります。履歴書の形式上書きにくい場合は、職務経歴書や自己PR欄などで補足してもよいでしょう。大切なのは、「空白期間でした」で終わらせず、
を伝えることです。
療養によるブランクはどう書く?
療養期間がある方もいます。その場合、病歴を細かく履歴書へ書き続ける必要はありません。
例えば、
など、経過を簡潔に整理する方法があります。
面接では、
- 現在の体調
- 再発防止のためにしていること
- 通院や服薬の管理
- 現在できている活動
- 安定して働くための工夫
を説明できるよう準備しておくとよいでしょう。大切なのは、
です。
志望動機は「障害」ではなく「仕事」を中心にする
障害者雇用の応募でも、志望動機の中心は、
なぜその会社・その仕事を希望するのか?
です。
例えば、
- なぜその職種に応募したのか
- これまでの経験や強み
- 入社後にどう活かせるか
- 必要であれば働く上での工夫
という順番で考えます。
だけでは、その企業や仕事を選んだ理由が伝わりません。
履歴書と職務経歴書は役割が違う
転職の場合、履歴書と合わせて職務経歴書を求められることがあります。
履歴書は、
- 基本情報
- 学歴
- 職歴
- 資格
- 志望動機
などを簡潔に整理する書類です。
職務経歴書では、
- どんな仕事をしていたか
- どのくらいの期間担当したか
- どんな工夫をしたか
- どんなスキルを身につけたか
- 応募先で活かせる経験は何か
をより詳しく伝えます。職務経験がある方ほど、履歴書だけでなく職務経歴書も丁寧に作りましょう。
障害者雇用の履歴書チェックリスト
提出前に確認してみてください。
- 応募先が指定する様式になっている
- 学歴・職歴の年月が一致している
- 西暦・和暦が統一されている
- 学校名・会社名が正式名称になっている
- 誤字脱字がない
- 強みや経験が具体的に書かれている
- 配慮事項が「できないこと」だけになっていない
- 自分で行っている対策も整理できている
- 志望動機が応募先ごとの内容になっている
- 面接で質問されても説明できる内容になっている
よくある質問
まとめ|障害名より「どう働けるか」を伝える
障害者雇用の履歴書で大切なのは、障害について長く説明することではありません。
- 自分には何ができるのか?
- どんな場面で困るのか?
- 自分ではどんな対策をしているのか?
- どんな配慮があれば安定して働けるのか?
それを企業が理解できる形に整理することです。履歴書は、
ではありません。
として作ってみてください。


