「仕事が続かなくて、何度も辞めているんです」
「でも、障害者手帳は持っていません」
相談支援や医療、学校、ハローワークの現場で、こうした相談を受けることがあります。手帳がないと聞くと、案内できる先が少ないように感じるかもしれません。
実際には、障害者手帳がなくても使える支援や制度は、いくつもあります。 この記事では、手帳を持っていない方から「仕事が続かない」と相談されたときに案内できる先を、明石市・神戸市の扱いとあわせて一覧にします。
手帳がなくても使える支援・制度の一覧
| 支援・制度 | 手帳がない場合 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 就労移行支援・自立訓練(生活訓練) | 自立支援医療受給者証や医師の診断書などで、受給者証を申請できる場合がある | 就職の前に、働く準備や生活リズムを整えたい |
| ハローワークの専門援助部門 | 事情により手帳を持っていない方も利用できる | 体調や特性に配慮した仕事探しをしたい |
| 障害者就業・生活支援センター | 神戸市の「しごとサポート」は、一般就労を希望する方なら手帳の有無を問わない | 仕事と生活の両方の相談をしたい |
| 地域障害者職業センターのリワーク支援 | 手帳は不要(主治医の診断書などで確認) | うつ病などで休職中で、復職をめざしている |
| 発達障害の相談窓口 | 明石市・神戸市とも、診断の有無を問わない | 特性かもしれないと感じているが、受診はまだ |
| 自立支援医療(精神通院医療) | 手帳は不要(医師の診断書で申請) | 精神科などに通院していて、医療費を軽くしたい |
それぞれ、くわしく見ていきます。
就労移行支援・生活訓練は、手帳がなくても使える場合があります
就労移行支援や自立訓練(生活訓練)を使うには、市区町村から障害福祉サービスの受給者証を出してもらいます。この申請に、障害者手帳は必ずしも必要ではありません。
明石市・神戸市で申請に使える書類
| 市 | 手帳の代わりに使える書類 |
|---|---|
| 明石市 | 自立支援医療受給者証。受給者証がなくても、医師の診断書だけで申請できる場合もある |
| 神戸市 | 自立支援医療受給者証があれば申請できる(申請先は区役所) |
ほかの市町は扱いが違います。ご本人がお住まいの市町の障害福祉の窓口で確かめてください。
案内するときに伝えたいこと
- 費用は所得に応じて月の上限が決まっていて、18歳以上の方は本人と配偶者の所得で判定します。親と同居していても、親の収入は含みません
- 週1日・短時間から通い始められる事業所もあります
- 受給者証の申請には、サービス等利用計画(案)が必要です。相談支援事業所に作ってもらうか、ご本人・ご家族が作ります(セルフプラン)
利用料のしくみは、こちらでまとめています。

申請から利用開始までの流れは、こちらです。

ハローワークの専門援助部門
ハローワークには、障害や体調のことで仕事探しに困っている方のための専門の窓口(専門援助部門)があります。兵庫労働局の案内では、「事情により障害者手帳をお持ちでない方のご利用も可能です」とされています。相談の内容によっては、主治医の診断書や意見書を求められることがあります。

障害者就業・生活支援センター
仕事のことと、生活のこと(体調管理、金銭管理など)を一緒に相談できる窓口です。神戸市では「しごとサポート」の名前で、市内に5か所あります(窓口と担当地域は、神戸市のホームページに載っています)。神戸市の案内では、「一般就労を希望する方であれば障がいの種別や手帳の有無は問わず、どなたでも利用できます」とされています。
明石市にお住まいの方の担当窓口は、明石市の障害福祉課で確かめられます。
休職中の方には、リワーク支援
まだ退職しておらず、うつ病などで休職している方には、地域障害者職業センターのリワーク支援があります。
- 費用は無料で、標準の期間は12〜16週間
- 精神障害者保健福祉手帳は不要。主治医の診断書などで、うつ病などの精神疾患があることを確認する
- 始めるには、本人・会社・主治医の3者の同意が必要
兵庫県では、兵庫障害者職業センター(神戸市灘区大内通5-2-2、電話 078-881-6776)が窓口です。
休職中の方は、次の3つをすべて満たす場合、就労移行支援などを復職のために使えることもあります。
- 会社や地域の支援機関、医療機関などによる復職支援が受けられない、または難しい
- 本人が復職を望み、会社と主治医が、就労系の障害福祉サービスで復職をめざすのがよいと判断している
- そのサービスを使うことで、より効果的に復職できると市区町村が判断している
発達障害の相談窓口(診断がなくても使える)
「特性かもしれないけれど、受診はまだ」という方には、診断がなくても使える相談窓口があります。
- 明石市:明石市立発達支援センターの個別相談。診断の有無は問わず、成人期の方も相談できます。無料・予約制です(電話 078-918-5841)
- 神戸市:15歳以上(中学卒業後)の方とご家族のための発達障がい相談窓口が、市内に3か所(ひがし・にし・きた)あります。診断の有無は問わず、無料・予約制です
手帳がないと使いにくいもの
手帳がないと使いにくいものもあります。案内するときは、ここも合わせて伝えておくと、あとで本人が戸惑わずに済みます。
- 障害者雇用の求人:応募するには、多くの場合、障害者手帳が必要です
- 手帳で受けられる割引や減免:公共交通機関の割引や、税金の控除など
手帳を取るかどうかは、ご本人が決めることです。手帳の種類と申請のしかたは、こちらでまとめています。

相談を受けたときに聞いておきたいこと
案内先を選ぶために、最初の相談で次のことを聞いておくと、つなぐ先を絞りやすくなります。
| 聞くこと | 案内先を選ぶときの手がかり |
|---|---|
| 今、働いているか(在職・休職・退職) | 休職中なら、まずリワーク支援や医療機関のプログラム |
| 通院しているか、診断があるか | 通院していれば、自立支援医療と、受給者証の申請の書類がそろいやすい |
| 自立支援医療受給者証を持っているか | 神戸市では、受給者証の申請に使える |
| お住まいの市町 | 受給者証の申請に使える書類が、市町によって違う |
| 生活リズム(起きる時間、外出できる日数) | 整っていなければ、生活訓練や就労移行支援で整えるところから |
| ご本人の希望(すぐ働きたいか、準備したいか) | すぐ働きたい→ハローワーク/準備したい→就労移行支援 |
ご本人への伝え方
「福祉サービス」「障害」という言葉に、抵抗を感じる方もいます。案内するときは、次のような言い方をすると、受け取ってもらいやすくなります。
- 「障害かどうかを決める場所ではなく、働き方を一緒に考える場所です」
- 「手帳がなくても、使える場合があります」
- 「まず見学して、合わなければ使わなくて大丈夫です」
本人向けに書いた記事を、そのまま渡す方法もあります。


よくある質問
(ここからFAQブロック)
まとめ|手帳がなくても、案内できる先はあります
障害者手帳がなくても、就労移行支援・生活訓練(受給者証の申請に使える書類があれば)、ハローワークの専門援助部門、障害者就業・生活支援センター、リワーク支援、発達障害の相談窓口は使える場合があります。明石市と神戸市では、受給者証の申請に使える書類が違います。
アイ・ワークスでは、明石市(西明石)で就労移行支援を、神戸市(三宮)で自立訓練(生活訓練)を行っています。手帳を持っていない方のご紹介も受けています。どの書類で申請できそうかを含めて、見学・相談のときに一緒に確かめます。


