障害福祉サービスを使おうと、市役所の窓口に行きます。
そう言われて、一覧を渡されます。明石市なら「計画相談支援事業所(近隣抽出)」という6ページのPDFです。111の事業所が、郵便番号の順に並んでいます。
50音順ではありません。
地域ごとの見出しもありません。
身体・知的・精神などの〇はついていますが、そこから絞り込むことはできません。
だから、上から順に電話をかけるしかありませんでした。紙を見ながら、番号を1つずつ押して。
「いま、新規は受けていないんです。」
これを何度か聞いたあと、ようやく引き受けてくれる事業所に当たる。僕たち相談支援の側から見ても、ご本人とご家族にいちばん負担をかけているのは、この最初の一歩だと思っています。
その一歩を、少し軽くしました。
どれくらい変わったのですか?
同じ111件です。市のPDFをもとにしています。でも、使ったときの感じは、まるで別物です。
窓口で「計画相談を探してください」と言われたら、その場でスマホからこのページを開きます。
開いた時点で、明石市の41件だけが出ています。
たとえば、大久保に住んでいて、知的障害のあるお子さんの計画相談を探すとします。
「こども」を押します。
「知的」を押します。
検索欄に「大久保」と入れます。
41件が、3件になりました。
名前は50音順で、どの事業所にも「明石市 大久保町」「明石市 西明石北町」のように町名の札が付いています。地図のリンクで、家からの近さもすぐ確かめられます。
気になった事業所の電話番号を押します。
そのまま電話につながります。
紙をなぞることも、番号を読み上げることも、打ち間違えてかけ直すこともありません。窓口の椅子に座ったまま、1件目に電話ができます。
「新規は受けていないんです」と言われても、画面に戻って、次の番号を押すだけです。
だれが便利になるのですか?
まず、ご本人とご家族です。窓口に行く前に、家で、夜でも、スマホで近くの事業所を選んでおけます。次に、ご本人の横にいる人たちです。
学校の先生が、保護者に「ここを見てください」とURLを1本送れます。PDFを印刷して渡す必要はありません。
病院の相談員が、退院の準備をしながら、その場で事業所に電話できます。FAX番号も並んでいるので、情報提供の書類もすぐ送れます。
僕たち相談支援の事業所も、引き受けられないときに「こちらを見てもらえれば、近くの事業所がすぐ見つかります」と案内できます。
市の窓口の方も、紙の代わりにこのページを見せられます。
明石市と近隣、神戸市西区・垂水区、加古川市、稲美町、播磨町まで111件が入っているので、市の境目に住んでいる方にも使えます。
何が載っていないのですか?
新規の受付をしているかどうかです。市のPDFにも、この一覧にも載っていません。そこは今も、電話をして確かめるしかありません。
変わるのは、電話をかける前です。
探して、絞って、番号を押すまで。ここを、ほぼゼロにするために作りました。
どうやって作ったのですか?
前作の、明石の障害福祉のネットワーク「135Eネット」の加盟事業所一覧と、同じ仕組みです。
- 市のPDFを、AIに読ませて表にしました。111件を、手で打ち直してはいません
- 表をGoogleスプレッドシートの台帳にしました。1行が1事業所です
- 運営法人とホームページは、AIに各事業所の公開情報を調べさせて足しました
- 台帳の中身を、公式サイトのページが読みにいきます。台帳を直せば、最長1時間でページも変わります
日曜日の半日でできました。前作は週末2日かかりました。2作目は、仕組みができている分だけ早かった、ということです。
追加の費用はかかっていません。Googleのスプレッドシート、公式サイトのWordPress、AIの契約は、どれもすでに使っていたものです。新しく契約したものはありません。
一発でうまくいきましたか?
いきませんでした。
市のPDFは、表の線が見た目だけで、文字の位置がばらばらです。そのまま読ませると、身体・知的・精神の〇が1列ずれます。文字が置かれている位置から列を決め直して、読み直させました。〇がずれていないかは、PDFの画像と見比べて確かめています。
50音順に並べたら、111件のうち58件がサ行に集まりました。「相談支援事業所〇〇」という名前が多いからです。頭の「相談支援事業所」を外した部分で並べ直しました。
事業所名が途中で切れているものがありました。PDFの枠に収まらなかったのだと思います。推測で補わず、台帳の「確認事項」に書いて残しました。
市のPDFは、差し替えのたびにファイル名が変わります。前の版のリンクは、もう開けませんでした。そこで、出典のリンクもページに書き込まず、台帳に持たせました。次に市が差し替えたら、台帳の1マスを直せば済みます。

どこまで確認したのですか?
運営法人とホームページは、住所か電話番号が市のPDFと一致したものだけを載せました。111件のうち、運営法人は71件、ホームページは60件です。確かめられなかったところは、空欄のままにしています。
公式サイトと市のPDFで、電話や住所が違う事業所も10件ほどありました。一覧は市のPDFの表記のままにして、違いは台帳に控えてあります。
AIに調べさせると、それらしい答えはいくらでも返ってきます。
一致を確かめられないものは、載せない。
先にこう決めておいたので、迷わずに済みました。
ほかの地域では?
この一言は、明石市の窓口だけで言われているわけではありません。
計画相談の事業所の一覧を、PDFやExcelで出している自治体はほかにもあります。そしてその先で、ご本人とご家族が紙をなぞりながら電話をかけています。
市のPDFやExcelがあれば、同じ手順で簡単に作れます。台帳・ページ・更新のしかたまで、仕組みはそのまま持っていけます。
僕が思い描いているのは、こんな光景です。
そう言ったあとに渡されるのが、紙の束ではなく、このページのURL。受け取った人は、その場でスマホを開いて、1件目に電話をかけています。
明石市では、そのページがもうあります。
111件から、家の近くの、お子さんを見てくれる事業所まで、数回押すだけ。押せば、そのまま電話。
同じページを、ほかの地域にも広げたいと思っています。「うちの地域でも作れる?」そんな一言からで大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。


