こんにちは。アイ・ワークス西明石の中井です。社会福祉士として、そして現在は副センター長として日々利用者さんと関わっています。
見学やお問い合わせの前に、
「どんな支援をしてくれる場所なんだろう」
「ちゃんと話を聞いてもらえるのかな」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
今日は、支援する側として私がいちばん大切にしている視点について、少しお話ししたいと思います。
「できない理由」を探す前に
福祉の現場では、
- 「なぜできないのか」
- 「何が苦手なのか」
という視点が必要になる場面もあります。
社会福祉士の仕事には、アセスメントと呼ばれる「状況を整理し、課題を把握する作業」があります。ですが私は、このアセスメントを“できない理由を見つけるためのもの”にはしたくないと考えています。
大切なのは、
- 「この人が動けなくなっている背景は何だろう」
- 「どんな条件がそろえば、この人らしく力を出せるだろう」
という視点です。
目の前の「訓練」だけが、就職への道ではありません。
私は、支援で大切なのは「その人自身(個人)」と「その人を取り巻く環境」の両方にアプローチし整えることだと考えています。
なぜ「環境」を整えるのが大事なのか?
人は誰でも、お金のこと、住まいのこと、家族のことなど、生活のどこかに大きな不安があると、目の前の事に集中することができません。
たとえ就労移行支援の「サービスの範囲外」だとしても、私はそこを無視して「とにかく就職しましょう」とは言えません。
遠回りに見えても、まずは生活の土台を整えること。そうすることで、今まで不安で動けなかった方が、前向きに自分と向き合えるようになる姿を見てきたからです。
制度を知らないことで、苦しんでいる方を救いたい
以前、何十年間も同じ会社で働いた末に、適応障害になった方が相談に来られました。 日本の医療・福祉制度は「自己申告制」が基本です。でも、体調を崩している時に、どんな制度があるか自分で調べ、手続きをするのは本当に大変なことです。
その方は、高いお金を払って民間のセミナーに通い、必死に自分を変えようとしていました。私はまず、その方が安心して生活を送れる土台作りから一緒に始めました。
彼女は自分の気持ちを言葉にするのが苦手で、つい「大丈夫です」「わかりました」と言ってしまう癖がありました。だからこそ、手続きの際は同席し、私が彼女の本当の困りごとを一緒に伝えるお手伝いをしました。
「自分で選ぶ人生」がここから始まる
土台が整った彼女は、安心して訓練に集中できるようになり、今は自分にあう職場で活き活きと働いています。
卒業の時、彼女は、「恥ずかしくてまだ誰にも言っていないけど、いつか一人暮らしをしてみたい」と教えてくれました。それまでずっと他人の意見を優先して生きてきた彼女は、自分の思いを口にすることを【恥ずかしい事】だと思っていました。
「あなたがやりたいと思う事は、何だってやってみたらいいんです。あなたの人生はあなたが選んだもので作り上げられていくものだから。」
と伝えると、彼女は今まで見てきた中で一番、晴れやかな表情を見せてくれました。
就職の先に続く生活を支えるために
そして、私はまた「治安とか、周辺の環境とか、安いスーパーが近くにあるか、とか…物件探しで悩んだら相談してください。」と、また就労移行支援のサービス外の話をしているのでした(笑)
でも、それが社会福祉士として就労移行支援事業所で働く私の存在意義だと思っています。
働くこと、食べること、眠ること。 住む場所があり、お気に入りの服を着て、思い切り遊び、時には恋をしてみたり。 そして、何もしないでダラダラ過ごす時間。
こうした当たり前の日常が積み重なって、一人の「人生」が出来上がっていきます。 そして、これらの権利は、すべての人に平等にあるはずです。
就職はゴールではありません。 その先にある、その人らしい「幸せな暮らし」を一緒に作っていくこと。
一見、就職とは関係ないように見える「環境」へのアプローチも、すべてはこの幸せな人生の土台を作るために必要なことだと信じています。


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