ようやく計画ができて、サービスが始まりました。
ここで相談支援専門員の仕事は終わる。そう思われている方が、けっこういらっしゃいますが、
相談支援員の仕事はここで終わりません。
ここからは、「モニタリング」と言われる仕事がはじまります。日本語では「定期的な見直し」と説明されることが多い言葉です。
ただ、現場でやっていることは、見直しというより継続支援です。この記事では、そう呼びます。
「見直し」と呼ぶと、こぼれるもの
見直しという言葉は、計画書を直す作業のように聞こえます。点検です。でも実際には、計画を直さない回も多いです。
会って、話を聞いて、「変わりありません」で終わる。そういう日がふつうにあります。
では、その日は無駄だったのでしょうか?それは、違います。変わっていないことを確認したのですから、無駄ではありません。
計画を直すのは結果です。会い続けることのほうが大切です。
モニタリングって何をしているのですか?
モニタリングの現場で実際にやっていることは、こんな感じです。
- ご自宅に訪問する
- その後どうですか、と尋ねる
- サービスが適切に使えているか確かめる
- 使ってみて合っているか確かめる
- 新しく困っていることがないか聞く
- 必要なら、計画を直す
いちばん上と、いちばん下。この距離が大事です。
まず自宅で会う。直すのは、必要があったときだけです。
「担当者がついている」というのは?
継続支援がついている状態を、もう少し具体的に書きます。
- 何かあったとき、最初に電話する先が決まっている
- 一から説明しなくていい。前回の話を知っている人が出る
- 事業所との間に入ってもらえる
- 更新の時期を、一緒に管理してもらえる
相談支援員の仕事はほんとうに地味です。派手なことは何もありません。
でも、困ったときに「どこに言えばいいか分からない」と迷わないというのは、かなり大きいことです。
どのくらいの頻度で、行われますか?
厚生労働省が全国の設定状況を調べています。2024年3月末時点の数字です。
| 間隔 | 割合 |
|---|---|
| 毎月 | 5.2% |
| 3か月ごと | 35.2% |
| 6か月ごと | 52.4% |
これは「見直しの回数」の統計として紹介されることが多いのですが、読み替えてください。
担当者が自宅に会いに来る回数です。支援の濃さの分布です。
いちばん多いのは6か月ごとで、半分より少し多いくらい。3か月ごとが、およそ3人に1人。毎月が、20人に1人ほどです。
つまり半分近くの方は、6か月より短い間隔でついてもらっています。
「6か月に1回のはずなのに、3か月で来た」は、間違いではありません。
モニタリング頻度を決めているのは、誰ですか?
ここが、この記事のいちばん大事なところです。
決めるのは市町村です。
相談支援専門員が決めるのでもなければ、ご本人が決めるのでもありません。法律で全国一律に決まっているわけでもありません。
相談支援専門員が「このくらいの間隔が必要だと思います」と計画案を出します。それを見て、市町村が決めます。
なので、同じような状況の方でも、住んでいる市が違えば、モニタリングの頻度が違うことがあります。
なぜ、差があるのですか?
ひとつは、状況の変わりやすさです。使い始めた直後は、確認することが多くなります。ひとつは、使っているサービスの種類です。組み合わせが多いほど、調整することが増えます。
そしてもうひとつ、正直に書いておきます。
相談支援専門員の人手が、地域によって足りていません。
継続支援は、1人ずつご自宅に会いに行く仕事です。担当が多ければ、回数は物理的に限られます。
そしてこれは「見直しの回数が減る」という話ではありません。つながりが薄くなるという話です。ここが、制度の理想と現場の現実がぶつかるところです。人手の話は、別の記事でくわしく書きます。
モニタリング頻度は、変えられますか?
変えられる場合があります。
一度決まったら永久に固定、というものではありません。状況が変わったときは、間隔そのものを見直します。
たとえば、こういうときです。
- 体調が変わって、もう少し来てほしい
- 就職や転居など、生活が大きく変わった
- 逆に、落ち着いてきたので回数を減らしたい
そんなリクエストはそのまま相談支援専門員に伝えてください。相談支援専門員から市町村に相談します。
ただし、通るかどうかは市町村の判断になります。
セルフプランには、これがつきません
ここまで読んでいただくと、セルフプランの話が違って見えてくると思います。セルフプランは、計画を自分でつくることです。ですが、本当の違いは、計画を書く作業ではありません。
継続支援がつかないことです。
当然ですが、セルフプランでは、相談支援専門員によるモニタリングなどのサービスを受けることはできません。
計画をつくること自体は、慣れればできる方もいます。書式もありますし、窓口で教えてもらえます。
でも、半年後に誰かが様子を見に来てくれるかどうかは、セルフプランではできません。
セルフプランを選ぶかどうかは、「書類を自分で書くか」ではなく「担当者を持つか持たないか」の選択です。

「更新」とは、別のものですか?
別のものです。ここも混ざりやすいので、分けておきます。
| 種類 | 何をするか? |
|---|---|
| 継続支援(モニタリング) | 使っている間、定期的に会って様子を確認する |
| 更新 | 使える期間が切れる前に、続けるための申請をする |
継続支援は、期間の途中でずっと続いています。
更新は、市役所が決めた期間の区切りで必要になります。手続きの申請が要ります。
うっかり忘れると、サービスが止まってしまうことがあります。継続支援がついていれば、この時期を一緒に管理してもらえます。
お金は、かかりますか?
かかりません。
計画をつくってもらうのも、その後の継続支援も、利用する方の負担はありません。複数の自治体がホームページに明記しています。
「来てもらうたびに料金が発生するのでは?」と心配される方がいます。そういうことはありません。
※例外として、事業所の実施地域の外から来てもらう場合に、交通費がかかることがあります。契約の前に確認してください。
何を話せばいいですか?
その日に何を言えばいいか分からない。そう感じる方は少なくないと思います。構えなくて大丈夫です。うまくまとめる必要もありません。
こういうことを、そのまま話してもらえれば十分です。
- 最近、困ったこと
- 前より楽になったこと
- やめたいこと、増やしたいこと
- 誰にも言っていない心配ごと
「特に困っていません」でも構いません。
困っていないことを確認するのも、継続支援の仕事です。報告会ではないので、成果を出す必要はありません。
うまく言葉にならなくても大丈夫です。「なんとなくしんどい」で十分です。そこから聞き取っていくのが、こちらの仕事です。
地域によって、違います
この記事に書いたのは、国の枠組みと全国の設定状況です。
実際の運用は、市町村によって違います。
- 間隔の決め方の基準
- 変更をどこまで認めるか
- 事情が変わったときの手続き
参考にした資料
- 障害者相談支援事業の実施状況等について(厚生労働省・2024年3月末時点)https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001457588.pdf
- 障害者総合支援法における給付決定等事務処理要領(厚生労働省・2026年7月版)https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf
- 計画相談支援について(大阪市)https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000173623.html
※制度の運用は市町村によって違います。モニタリングの間隔をどう決めるかにも地域差があります。この記事は2026年8月時点で調べたものです。実際の手続きは、お住まいの市役所にご確認ください。

