「サービス管理責任者(サビ管)の研修を受けてみたいけど、自分が対象になるのかどうかよくわからない?」
福祉の現場で働いていると、こういった疑問を持つ方は少なくありません。僕も、スタッフからこういった相談を受けることがあります。
受講条件は、一見複雑そうに見えます。でも、ポイントを押さえれば自分が対象かどうかは比較的シンプルに判断できます。
この記事では、令和8年度の兵庫県公式案内資料をもとに、現場スタッフが知っておくべき受講条件を職種別にまとめました。「自分は受けられるの?」という疑問に、この記事でお答えします。
サビ管研修(基礎研修)とは
サービス管理責任者(サビ管)とはどんな仕事?
サービス管理責任者とは、障害福祉サービス事業所において利用者一人ひとりの個別支援計画を作成・管理する専門職です。「個別支援計画」とは、利用者の希望や生活状況・課題をアセスメントし、「この方にどんな支援を、どのような目標で届けるか」を文書化したものです。支援の方向性を決める、いわばその人の支援の設計図にあたります。
サビ管の仕事はこの計画を作るだけではありません。定期的なモニタリング(計画通りに支援が届いているかの確認)、利用者・家族との面談、関係機関との連絡調整、そして現場スタッフへの助言・指導まで幅広く担います。
一人の利用者の支援に関わるすべての人をつなぎ、支援の質を維持・向上させる。それがサビ管の役割です。
現場で直接支援を担うスタッフが「利用者に寄り添う人」だとすれば、サビ管は「支援全体を俯瞰し、チームを導く人」と言えます。
障害福祉サービス事業所には必ずサビ管を配置することが法令で定められており、事業所にとってなくてはならない存在です。利用者の生活の質に直結する、責任とやりがいの大きな専門職です。
研修を受ければすぐにサビ管になれるわけではありません
ここが最も重要な前提です。
「研修を修了すればサビ管になれる」と誤解している方が多いのですが、実際はそうではありません。サビ管として配置されるまでには、以下のステップをすべて踏む必要があります。
サビ管になるための最初のステップです。 研修は「相談支援従事者初任者研修(合同講義2日間)」と 「サービス管理責任者等基礎研修(共通講義1日+演習2日)」で構成されており、 合計5日間のカリキュラムを修了すると、修了証書が交付されます。
受講には実務経験要件を満たしていることが前提です。 また、オンライン講義の視聴報告書や演習の事前課題の提出も必須となっており、 未提出の場合は修了と認められません。全日程の出席と事前準備が求められます。
基礎研修修了後は、すぐに実践研修へ進むことはできません。現場での実務(OJT)を2年以上・360日以上経験することが必要です。このOJT期間は、サビ管業務の見習いとして個別支援計画の作成補助やモニタリングへの同席などを通じて、実践的なスキルを身につける大切な期間です。
令和4年度以降、基礎研修修了後すぐにサビ管として配置できる「みなし配置」の経過措置は終了しています。OJT期間を省略することは、いかなる理由があっても認められません。
OJTを2年以上積んだ後、はじめて実践研修への申込資格が生まれます。実践研修では、基礎研修で学んだ知識をもとに、実際の支援事例を使ったより高度な演習が行われます。
個別支援計画の質を高めるためのアセスメント技術や、他機関との連携・調整スキルなど、サビ管として即戦力となるための実践的な内容が中心です。この研修を修了することで、サビ管としての「研修修了要件」がすべて満たされます。
基礎研修・OJT2年以上・実践研修の3つをすべて修了して、ようやくサービス管理責任者として事業所に配置されます。
サビ管は、利用者一人ひとりの個別支援計画を作成・管理し、スタッフへの助言・指導も担う現場の要となるポジションです。ここまでの道のりは決して短くありませんが、それだけに利用者の生活に深く関わり、支援の質を左右できるやりがいの大きな専門職です。
受講できる条件
受講には「実務経験要件」を満たしていることが必要です。職種によって条件が異なります。自分に近いパターンを確認してみてください。
まず、こちらの一覧表をご覧ください。 これは兵庫県が公式に発行している「サービス管理責任者実務経験一覧表」です。 サビ管を目指す方なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
区分「第1」から「第4」まで、業務内容と必要経験年数が整理されています。 一見すると情報量が多く、読み解くのが難しく感じるかもしれません。 でも大丈夫です。この後、あなたの職種に合わせて一つひとつ丁寧に解説します。

いかがでしょうか。表を見ただけでは「自分がどの区分に当たるのか?」すぐには判断しにくいと思います。
ここからは、現場でよく見られる職種ごとに「どの区分に該当するか?」「何年の経験が必要か?」を具体的に解説していきます。ご自身の職種に近いパターンを確認してみてください。
パターンA|生活支援員・世話人など「直接支援スタッフ」の場合
障害のある方の日常生活に直接関わる支援業務(入浴介助・食事介助・生活訓練・日中活動支援など)に従事している方が該当します。
✅ 必要な経験:直接支援業務が通算8年以上
ただし「8年以上」の計算には重要なルールがあります。
「1年以上の経験」とは、その年に180日以上勤務していることが必要です。8年間で合計1,440日以上の勤務実績が求められます。
フルタイム(週5日)勤務であれば、8年間でおよそ2,000日前後になりますので、日数の要件を満たすケースがほとんどです。ただしパート勤務・短時間勤務の方は、別途日数の確認が必要です(後述します)。
パターンB|就労支援員(相談業務あり)の場合
就労継続支援や就労移行支援などの現場で、障害のある方の就労に関する相談業務を担っている就労支援員の方は、「相談支援業務」として経験年数を計算できる可能性があります。
✅ 必要な経験:相談支援業務が通算5年以上
注意が必要なのは、すべての就労支援員の業務が自動的に「相談支援業務」と認定されるわけではないという点です。
相談支援業務は次のように定義されています。
業務内容がこの定義に合致するかどうかは、事業所の種別や実際の担当業務によって判断が変わります。「自分の業務が該当するか確認したい」という場合は、勤務先の管理者か、担当窓口に問い合わせるのが確実です。
パターンC|社会福祉主事・保育士・児童指導員などの有資格者
次のいずれかの資格を持ちながら、直接支援業務に従事している方は、必要な経験年数が8年から5年に短縮されます。
- 社会福祉主事任用資格
- 訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者
- 児童指導員任用資格者
- 保育士
- 精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者
✅ 必要な経験:直接支援業務が通算5年以上
ここで見落としがちな重要ポイントがあります。
資格取得前の勤務期間も通算できます。
たとえば、保育士資格を取得する前から直接支援業務をしていた期間も、経験年数としてカウントされます。「資格を取得してから5年が必要」と誤解している方が多いため、改めて入職日から計算し直してみてください。
パターンD|看護師・社会福祉士など「国家資格保有者」の場合
以下の国家資格を保有している方は、別の経路で受講資格を満たせる場合があります。
✅ 必要な経験:実務経験(相談支援 or 直接支援)が通算3年以上、かつ国家資格による従事期間が通算3年以上
実務経験と国家資格による従事期間、どちらも3年以上が必要です。どちらか一方だけでは要件を満たすことができません。両方の年数をそれぞれ確認してみてください。
「まだ経験が足りない」と思っている方へ
「8年も経験がないから、自分にはまだ先の話だ」と思っている方に、知っておいてほしい制度があります。
実は、サビ管として必要な実務経験年数より2年早い時点から、基礎研修への申込が可能です。
基礎研修を修了した後にOJT期間(2年以上)が必要なため、「先に研修だけ受けておき、OJT期間中に残りの実務要件を満たす」という流れが制度上想定されているからです。
| 職種・パターン | サビ管就任に必要な経験 | 研修申込できる時期の目安 |
|---|---|---|
| 直接支援スタッフ(パターンA) | 8年以上 | 6年経過から |
| 就労支援員・相談業務(パターンB) | 5年以上 | 3年経過から |
| 有資格者(パターンC) | 5年以上 | 3年経過から |
| 国家資格保有者(パターンD) | 実務3年以上 | 1年経過から |
「まだ先のことだと思っていた」という方も、意外ともう申込できるタイミングに来ているかもしれません。まず入職日を確認してみてください。
なお、実務要件より2年短い状態で受講した場合、基礎研修終了後のOJTを6か月以上に短縮することはできませんのでご注意ください。
パート勤務・短時間勤務の方は「日数」に要注意
ここは特に見落とされやすいポイントです。
「1年の経験」=「180日以上の勤務」
繰り返しになりますが、実務経験の計算において「1年以上の経験」とは、単に在籍期間が1年あることではなく、その年に実際に180日以上勤務していることが条件です。
週の勤務日数別の目安
| 勤務スタイル | 週の勤務日数 | 年間の勤務日数の目安 | 判定 |
|---|---|---|---|
| フルタイム | 週5日 | 約240〜250日 | ✅ 問題なし |
| 週4日パート | 週4日 | 約190〜200日 | ✅ ほぼ問題なし |
| 週3日パート | 週3日 | 約140〜150日 | ⚠️ 180日未満の可能性あり |
| 週2日パート | 週2日 | 約90〜100日 | ❌ 180日未満 |
週3日以下のパート勤務の場合、在籍期間が長くても「実務経験あり」と認められない年が生じる可能性があります。
「在籍年数は長いのに日数が足りない」ケースに注意
たとえば週3日勤務で10年間働いていたとしても、1年あたりの勤務日数が180日を下回っていればその年はカウントされません。結果として、在籍年数10年でも実務経験として認められる期間が大幅に短くなる場合があります。
勤務日数の確認方法
- タイムカード・出勤簿(過去のものも含めて確認)
- 雇用契約書の所定労働日数
- 給与明細の出勤日数欄
「自分の場合はどうなるか」が不安な方は、勤務先の管理者に相談して一緒に確認することをお勧めします。
令和8年度 兵庫県 基礎研修の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 兵庫県内事業所を優先(申込多数の場合) |
| 申込期間 | |
| 申込方法 | インターネット申込のみ(FAX・郵送・メール等は不可) |
| 受講料 | 15,000円(3日間)/25,000円(5日間) |
| 研修日程 | 2026年6月9日〜7月17日(オンライン講義+対面演習) |
| 会場(対面演習) | 兵庫県立総合リハビリテーションセンター 福祉のまちづくり研究所 |
| 選考方針 | 申込多数の場合、1事業所1名を優先 |
| 補講 | なし(全日程の出席が必須) |
アイ・ワークスはスタッフのキャリアアップを応援しています
アイ・ワークスでは、スタッフ一人ひとりのキャリアを大切にしています。
「サビ管を目指したい」「自分が研修を受けられるか確認したい」という方は、まず管理者にご相談ください。実務経験の年数・日数の計算や、申込書類の準備についても一緒に確認します。
スタッフが成長できる環境を、アイ・ワークスは組織として整えていきたいと考えています。
よくある質問
サビ管の資格を活かすなら、アイ・ワークスへ
アイ・ワークスでは現在、新規事業所の開設を予定しており、サービス管理責任者を絶賛募集中です。
「研修を修了したら、その経験を存分に活かせる職場で働きたい」 「利用者さんの支援に、もっと本気で向き合いたい」そんな思いをお持ちの方に、ぜひアイ・ワークスを知っていただきたいです。
当社が大切にしているのは、
障害のある方に「ワクワク愉しい」を届けること。
サビ管としての専門性を持つあなたの力が、利用者さんの毎日を豊かにします。研修を修了した暁には、ぜひアイ・ワークスへのご応募をお待ちしています。一緒に、ワクワク愉しい支援をつくりましょう。
▶ 採用情報・応募はこちら
本記事は令和8年度兵庫県サービス管理責任者等研修の公式案内資料(社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団・福祉のまちづくり研究所 研修センター発行)をもとに作成しています。
内容の詳細・最新情報は必ず公式資料または担当窓口にてご確認ください。


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